役員借入金は相続が発生したときに大きな負担になる?!

会社の債務超過

多額の役員借入金がある状態は、相続発生時の負担が大きくなってしまいます。

すでに役員借入金がたくさんある会社の状態や、そもそも役員借入金があるのか、あるとすればいくらなのか知っておくことは重要です。

また、なぜ相続発生で負担が増すのか、対策はないのかなどについて分かりやすくまとめています。

役員借入金が多額にあるときの会社の状態は?

経営者などの役員が会社に対して貸しているお金のことを、役員借入金といいます。

多額になっていると相続に影響する可能性もあり、会社の状態としても良くありません。

それだけ負債が大きくなっていると、意味しているためです。

では実際にどこをチェックすれば、役員借入金の額を把握できるのでしょうか。

役員借入金の有無と金額を知る方法とは

会社の申告書を見ると、金額がわかります。

借入金の項目を見れば、どれだけの役員借入金が会社にあるのか把握できるでしょう。

注意しなければいけないのは、必ずしも借入金の勘定科目で経理処理されていないケースがある点です。

会社の経理担当や税理士によっては、未払金として計上していることがあります。

その場合は当然、借入金の項目を見ても役員借入金の有無や金額はわかりません。

見落とさないようにくれぐれも気をつけましょう。

役員借入金は相続財産になる

企業目線では個人からの借入金や未払金で、負債に該当するのが役員借入金です。

しかし、会社にお金を貸している経営者などの目線では、貸付金として資産扱いになります。

負債ではないから何も問題ないのではないかと思う方もいらっしゃるでしょうが、誤りです。

仮に、会社にお金を貸している社長などが亡くなってしまったとしましょう。

先述のとおり、会社にお金を貸している分はその人の資産として扱われることになるわけですが、それに対して相続税が課されてしまうのです。

いうまでもなく、会社に貸し付けている金額が大きいほど、課税される金額も大きくなります。

会社によっては資金繰りがうまくいっていないために、多額の役員借入金を抱えているケースはよくあるものです。

返済のメドが立たなければ、そのまま相続財産として高額の納税をしなければいけなくなるリスクがあります。

事前に行う役員借入金の相続対策

先述のとおり、役員借入金は貸している本人に万が一のことがあると、相続財産として相続税の課税対象になります。

多額の相続税がかかってしまう前にどうにかしたいと思う方は多いでしょう。

そのためにできる方法としては、主に以下のものをあげることができます。

  • 役員借入金の債権放棄
  • 役員借入金を資本金に組み入れる
  • 役員借入金の返済として役員報酬を充てる
  • 役員借入金を贈与する

注意点としては、たとえば役員借入金を贈与する場合には、金額によっては贈与税が課されます。

贈与税には110万円の基礎控除がありますが、この範囲内で贈与しなければ、税金がかかってしまうのです。

一度に多額の贈与をしないことに気をつけさえすれば、無税で多くの役員借入金を相続人に渡してあげることができるでしょう。

役員借入金を相続放棄することも検討する

実際に役員借入金が相続財産として、相続人が受け継ぐことになったとしましょう。

その際には、相続放棄をする選択肢もあります。

これによりプラスの財産を受け継ぐことはできなくなりますが、マイナスの財産を受け継ぐ必要はなくなります。

また、最初から相続人ではなかった取り扱いになるため、相続税の支払い義務を負うことはありません。

回収が見込めず、多額の相続税に苦しみたくない場合には、相続放棄を検討するのも良いでしょう。

なお気をつけなければいけないことに、相続放棄は3ヶ月の期間で決断しなければいけません。

また、一度手続きが完了すれば、3ヶ月の期限を迎える前の時点であっても、やっぱりやめたというのが通用しない点にも注意が必要です。

相続放棄には期限があることと、撤回ができないことは頭に入れておくと良いでしょう。

なお3ヶ月の期間のカウントダウンは、被相続人が亡くなり相続開始があったことを把握してから始まります。

役員借入金の相続まとめ

役員借入金は会社存続のために、仕方なく計上している会社も多いでしょう。

しかし、相続税を支払わなければいけなくなったり、銀行の融資を受けにくくなったりと、問題点は多いです。

できるだけ役員借入金はつくらず、すでに多額になっている場合は事前にできる対策や、相続放棄の実行を検討しましょう。