資本金の増資で債務超過を解消する方法とメリット・デメリット!

会社の債務超過

債務超過状態が解消できないと、銀行融資が受けにくくなり資金繰りが困難になると倒産リスクが高まります。

そこで、債務超過を解消するために資本金を増資するという方法もありますね。

債務超過の会社でも可能な資本金の増資方法や、どんなメリットやデメリットがあるのかについて分かりやすくまとめました。

資本金の増資で債務超過を解消できる?

資本金を増資することで純資産がプラスになれば、債務超過状態は解消できます。

ただ、気をつけたいのは実際に使えるお金が確保できるかどうかってことですよね。

貸借対照表のイメージで見るとこんな感じですね。

資本金を増資することで資金調達ができ、現金預金が増えると資金繰りも楽になり、赤字続きで利益余剰金がマイナスでも純資産合計がプラスになれば、債務超過ではなくなります。

では、債務超過状態の会社に適した資本金を増資する方法ってどんなものでしょう。

債務超過状態で資本金を増資する方法

資本金を増資する方法は、大きく分けて有償増資と無償増資があります。

ですが、債務超過状態だと無償増資はほぼ不可能でしょう。なぜなら、無償増資は資本金準備金や利益余剰金を資本金に組み入れる方法だからです。

会社設立時に株主から払い込まれたお金のうち、2分の1を資本金にせずに資本準備金にすることができます。

もし、資本準備金があれば、債務超過になる前に欠損金の補填で資本金に組み入れているでしょう。

また、債務超過になっていれば、利益余剰金はマイナスになっており、その額は資本金の額よりも大きくなっている状態なので、資本金に組み入れることはできません。

なので、債務超過状態になっている会社が、資金調達を可能にして資本金を増資する方法は、有償増資になります。

有償増資には、以下の3つの方法があります。

  • 公募増資
  • 第三者割当増資
  • 株主割当発行増資

では、債務超過状態の中小企業で可能なのは、どの方法でしょうか?

公募増資

公募増資は新規株式を発行して、一般投資家から株主になってくれる人を募集する方法です。

ですが、公募増資ができるのは上場企業だけなので、未上場企業ではこの方法で増資することはできません。

ほとんどの中小企業にとっては、公募増資は不可能な方法ですよね。

第三者割当増資

第三者割当増資は、既存の株主だけでなく、第三者に株主になってもらうことで資金調達できる増資方法です。

新規株主になってもらう相手は、特定することができます。

ただ、債務超過状態で経営不振に陥っている会社に投資してくれる人は、簡単には見つからないですよね。

株主割当発行増資

株主割当発行増資は、既存の株主が保有している株式数の割合に応じて、新株式を発行して資金調達をすることで増資する方法です。

債務超過状態の会社が有償増資で資金調達するなら、株主割当発行増資が一番可能性が高い方法と言えます。

ただ、株主全員に新株式を購入してもらわないといけないので、増資に応じない株主が存在することもあります。

そんな場合に、少しリスクはありますが方法がないわけではありません。実際にどうしたかをお話ししますね。

株主割当発行増資の実体験

実は、家族経営の法人を経営していた時期に、株主割当発行増資を行ったことがあります。

現在は資本金1円でも法人設立できますが、以前は最低資本金額が定められていて、最低資本金が500万円から1,000万円に引き上げられための増資でした。

経営に携わっていない親族にも株主になってもらっていましたが、割り当て株式の購入を無理強いすることはできませんでした。

その時にどうしたのかというと、当時代表者だった先代社長が親族分の割り当て株式分のお金を負担する形を取りました。

お金を出したのは代表者ですが、株主として登記したのは親族ってことです。

その場合、金額によっては贈与税がかかります。実際には贈与税がかからない範囲の金額だったのですけどね。

もし、お金の出どころを税務署に問われたときに回答できるように、実際に誰がいくら出したか分かるようにしていましたが、問われることはありませんでした。

債務超過状態で資本金を増資するメリット

有償増資であれば、資金調達ができるので運転資金などに使えるお金ができ、資金繰りが楽になりますね。

「資本金=企業の規模」と捉えられることが多いので、資本金が増えることで、銀行や取引先の信用もアップします。

資本金の増資により債務超過が解消すれば、融資も受けやすくなります。

債務超過状態で資本金を増資するデメリット

債務超過状態であるなしに関係なく、法人税の均等割は、赤字でもかかってくるので、資本金を増資することで税金が増えます。

法人税の均等割は、資本金1,000万円未満の場合は7万円ですが、資本金1,000万円以上になると18万円になります。

当期利益が赤字でも、法人税の均等割は毎年かかってくることになります。

また、増資したお金が、借金の支払いや未払い金などですぐにも消えてしまうようであれば、資金繰りの改善にはならないです。

資本金の増資が一時しのぎになってしまっては元も子もないですから、利益を出せる体質に経営改善することなしの増資は、出資者個人に大きな損をさせることになります。

資本金の増資と債務超過についてまとめ

会社が債務超過状態になったとき、資本金を増資することで解消することもできます。

資本金の増資方法は有償増資と無償増資がありますが、資金調達ができるのは有償増資です。

ただ、経営不振に陥っている会社への出資者を募るのは、かなり困難です。

また、資本金の増資で債務超過を解消できたとしても、会社が利益を出せるようにならなければ、出資金は湯水のごとく消えてしまいます。

資本金の増資が一時しのぎにならないように、経営改善することも必須ですね。