債務超過の会社を清算するかどうかの判断と可能な手続き方法

会社の債務超過

債務超過の状態に陥っている会社を清算するか否か、その判断基準は何で、どのような手続き方法があるのでしょうか。

また清算の方法はある程度知っていても、どの方法を選択すれば良いのか迷ってしまいますよね。

そこで、以下に任意整理や特別清算、破産について分かりやすく情報をまとめていますので、参考にしてください。

債務超過の会社を清算した方が良いのはどんなとき?

会社の倒産を決断した場合には、会社を存続させ再建を目指すのか、消滅させる清算を選択するのかを検討します。

考えるためにあてる期間としては、1~3ヶ月間は確保しておくと安心です。

倒産手続きを行う日が見えてきたら、関係者に対し通知をします。

会社の役員や保証人、家族、従業員などにも伝えなければいけないですが、従業員に通知する時期は慎重にした方が良いです。

実際にこのようなことになるまでには、債務超過が解消できないなどの兆候があるはずです。

債務超過に陥っていること自体、会社を清算する理由になりますが、ただ、債務超過に陥っているといっても、利益をあげることはできていれば、時期尚早といえるかもしれません。

債務超過の状態に転じてまだそれほど期間が経過しておらず、一時的に純資産がマイナスになっているだけの場合もあります。

利益をあげることができていれば、債務超過はやがて解消されるので、清算をしなくても良いです。

債務超過解消のメドが立っていれば、純資産マイナスの状態にあっても銀行が融資してくれる見込みもあります。

反対に、利益をあげることができていない状態で、支払いが困難になっている状態であれば、清算を検討する時期ですね。

それは、支払い困難の現状が、支払い不能の状態へと変わってしまうリスクが非常に高いためです。

債務超過の会社を任意整理で清算できる?

会社の清算をするにあたり、第一に検討したほうが良いとされているのが任意整理です。

任意整理は、裁判所が介入しない方法で、債務者と債権者の交渉で解決を目指します。

任意整理を行った場合その事実が、役所が発行する官報に載ることはありません。

会社の清算をしたことを世間に広く知られたくないと思っている場合には、都合の良い倒産手続きと言えるのではないでしょうか。

また、債務超過で資金繰りが行き詰まっているわけではなく、後継者がいないなどの事情で会社を終わらせたい場合にも、任意整理が選択されています。

法的整理と異なる点

裁判所が介入する法律整理と違って、任意整理に関する詳細なルールが決まっているわけではありません。

そのため負債を抱えている会社が、金融機関や取引先企業などと直接交渉し、合意を目指すことになるのです。

したがって、会社と債権者とのあいだで、債権額の半分だけ5年間で支払うというような決定もお互いに納得すればできます。

手続きが複雑ではなく、コストも低く抑えることができ、早期解決が目指せる点が任意整理の魅力です。

なお、債権者との交渉は法律事務所にお願いすることも可能です。

債務超過の会社を特別清算できる条件は?

特別清算は、株式会社だけが選択できる清算方法です。

また特別清算手続きは、債権額の同意が不可欠であり、同意が債権者・総債権額の3分の2に達していなければ手続きを進められません。

ほかにも、手続きを開始する要件として債務超過の疑いがあることなどが含まれています。

大半の同意が必要なため、任意整理と比較して成立させるのが難しく、この方法で会社を終わらせるケースは全体の10%程度とされています。

ただ、特別清算に魅力がないわけではありません。

  • 破産に比べて低コストで済ませられる
  • 破産に比べて厳格な手続きが不要なぶんスピーディな処理ができる
  • 会社がお願いして申立代理をする弁護士を清算人に設定できる
  • 破産という言葉を使わないぶん悪いイメージがつきにくい

株式会社でなければ特別清算できないことが条件に含まれていますが、裏技的な方法がないわけではありません。

たとえば、有限会社の社員総会で、会社の名前に株式会社の言葉を入れると定款に盛り込みます。

そして法務局で有限会社の解散の登記を、名前を変えたあとの株式会社は設立の登記を行うのです。

すると、株式会社として会社を終わらせるための選択肢のひとつとして、特別清算が選択できることになります。

結局、債務超過の会社は破産することになる?

破産とは、債務超過状態にある会社が、取引先への支払いや金融機関への返済が不能となった場合に選択される清算手続きです。

残っている資産をすべて売り払い、その全額を債権者に対して平等に支払います。

会社が所有している建物や土地、有価証券、工場設備といった、現金化できる資産はもれなく整理の対象です。

破産申立をすると裁判所が介入し、裁判所によって選ばれた破産管財人が手続きの管理にあたることになります。

破産管財人には弁護士が選任されることになり、誰になるのかが決まったあとは、会社の社長が財産管理をすることは認められません。

破産は全資産を現金化するため、任意整理などに比べて処理に多くの時間を要することになってしまいます。1年以上かかることも珍しくありません。

破産手続が終了すると会社が消滅して終わりです。

経営状態を改善できず、問題を放置したままずるずる時間が過ぎていった場合には、破産するしかない状態になってしまいます。

ですが、債務超過の会社であれば結局破産しかなくなるのかというと、そうではありません。

前述したほかの清算方法を選択することもできますし、利益をしっかりあげることができる会社であれば、債務超過を解消できる可能性もあります。

ただし、どうにもならないまでに行き詰ってしまうと、会社の破産手続は、費用が高額ですから、破産さえもできなくなるかもしれません。

債務超過は会社の危機が迫っているという認識をもって、早めに対策することですね。

債務超過会社の清算まとめ

債務超過に転落している会社を清算する場合には、複数の手続き方法があります。

また、どの方法を選択するかによって、メリットやデメリットが違ってくることもご理解いただけたのではないでしょうか。

債務超過を解消できる見込みの有無を判断し、自社にとって最適な手続き方法を選択するためには、危機感を持って早めに対策することですね。